最愛の妻を亡くしたばかりのトム・ハーパー(ティモシー・スポ―ル)はローカルバスのフリーパスを利用してイギリス縦断の壮大な旅に出ることを決意する。
目指すは愛する妻と出会い、二人の人生が始まった場所―。
行く先々で様々な人と出会い、トラブルに巻き込まれながらも、妻と交わしたある“約束”を胸に時間・年齢・運命に抗い旅を続けるトムは、まさに勇敢なヒーローだ。
愛妻との思い出と自身の“過去”ばかりを見つめていたトムが、旅を通して見つけたものとは・・・?
最愛の妻を亡くしたばかりのトム・ハーパー(ティモシー・スポ―ル)はローカルバスのフリーパスを利用してイギリス縦断の壮大な旅に出ることを決意する。
目指すは愛する妻と出会い、二人の人生が始まった場所―。
行く先々で様々な人と出会い、トラブルに巻き込まれながらも、妻と交わしたある“約束”を胸に時間・年齢・運命に抗い旅を続けるトムは、まさに勇敢なヒーローだ。
愛妻との思い出と自身の“過去”ばかりを見つめていたトムが、旅を通して見つけたものとは・・・?
ジョー・エインズワースが書いた『君を想い、バスに乗る』を初めて読んだ時、高齢者用の無料バス乗車券を使って路線バスの旅に出る老人のロードムービーという設定が非常に気に入った。スコットランドの最北端(ジョンオグローツ)からイングランドの最南端(ランズエンド)までの約1300キロの旅は、彼の人生最後の旅となる。
妻メアリーの死後、トム・ハーパーは60年以上前の夫婦の旅を細部にわたって再現しようとする。同じ路線バスのルートや朝食付き宿を利用しながら、もと来た道をさかのぼる。この旅は彼にとって忠実に守る儀式であるが、人生に脱線はつきものだ。
トムの旅には、人には言えない大切な理由がある。これが物語に情緒的な深みを与えている。さらにトムは自分に残された時間の中で、約束を果たすために困難に立ち向かう。 入念な計画に沿って旅を進めるが、想定外の出来事がトムを待ち受ける。あらゆる問題、障害、喜びを伴う、まさに人生そのものだ。人生と出会いがもたらす脱線は、彼の旅に様々な形で花を添える。
『Another Time, Another Place(原題)』でフィリス・ローガンを見て以来、彼女と仕事がしたいと思っていた。この映画で、ついに念願が叶った。
審査員としてトリノ映画祭に参加した際、ティモシー・スポールに出会い、この映画の話をした。彼はすぐに興味を示してくれた。主人公のトムよりもはるかに若かったが、ティモシーならうまくやり通せると直感的に思った。90歳の身体的特徴を捉えた見事な役作りに加え、メイクアップアーティストのクリスティーン・カントが高価なアイテムを使わず、見事なメイク技術だけでティモシーを老けさせてくれた。
多彩な出演者はグラスゴーの人たちだ。その多くが30年以上を共にした俳優たちで、再び一緒に仕事ができたことを嬉しく思う。